板場通信Staff Column
寿司屋探訪
最近、オシャレなお寿司屋さんに行ってきました。(写真は五金のお寿司)
そのお店は初めてでしたのでカウンターに座りお店の親方に寿司職人であることを伝えて寿司ネタの事やいろいろな話を聞かせていただきました。
そのお店ではイカを注文したらネタに包丁を入れて炙り、波が立っているように握ってくれました。
その波の姿から葛飾北斎の話になり、北斎が描いた波の絵は高感度カメラで見ると全く同じ手の形に見えるんだ。という話を聞き思わず「へぇ~」と唸ってしまい、その後も「へぇ~」を連発してしまいました。
凡人には見えない姿が北斎には見えたんだから、凡人から一歩前に出た世界を作っていきたいという目標が出来ました。
そのお店では、白子のにぎりと言ってもちょっとポン酢がかかった白子を器に盛りその上にシャリが乗っていました。
形にこだわらず美味しく旨みを引き出すためにはどうしたらいいか?をずっと追いかけているようです。
このお店の親方は65才と言っていましたが、今までボクの思う65才は「寿司!」って感じで炙るのもどうかな?というガチガチなイメージでしたがそんなことに抵抗なく自由に寿司を塩で食べさせることもしていました。
長く寿司職人をしていてもその時に思い付いたことをしているので昔のことは覚えていないそうで、その時に一番おいしい食べ方を追求しているんだと言っていました。
今回の探訪は、将来の刺激になりました。
発想とか考え方をちょっと変えると寿司の幅はもっと広がるな!と肌で感じました。
寿司の形はシャリとネタ。そしてネタは素材そのもの。シャリは握り方、シャリの味があり・・・でも形にこだわらなければ・・・まだまだ挑戦が続きます!(2014.3)